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調布市,仙川,皮膚科,アトピー,漢方治療,小児皮膚科,レーザー治療,【仙川皮フ科クリニック】

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小児皮膚科

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乳幼児のスキンケア

◆小児皮膚科
小児皮膚科では、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、とびひ、イボ、水イボなどの子供さんの皮膚病を対象として診療しています。
大人と違い乳幼児から5~6歳までの子供さんの皮膚は非常に繊細で、より細やかな注意が必要になります。このため、同じ皮膚病の治療でも大人の治療方法とはずいぶん異なります。
小児の皮膚病の診断・治療には、小児皮膚科での研修と数多くの治療経験のある医師が必要となります。当院では近隣の小児科医と連携しながら治療を行っていますので、何でも相談して下さい。

◆乳幼児のスキンケア

1.生後2週間~2ヶ月…新生児ざ瘡(ニキビ)に対するスキンケア

石鹸を泡立てながら過剰な皮脂を落とし、皮膚表面の細菌数を減らして清潔にするだけで、通常2~3週間で良くなります。ざ瘡と炎症の程度により、外用薬を塗って治療することもあります。
この時期は顔を石鹸で洗うことがためらわれる月齢ですが、石鹸の泡を手に取って皮脂の多い、頬・額・顎などを丁寧になでて洗い、ぬるま湯で緩く絞ったガーゼでこすらずに何度も洗い流すようにしてすすぎます。その後特に何も塗る必要はありませんが、ざ瘡以外の所が乾燥するようであれば、プロペトやアズノール軟膏などを薄く塗ってスキンケアします。

2.生後2ヶ月~4ヶ月…乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)に対するスキンケア

■頭皮や眉毛に固着している黄色い痂皮の取り方
オリーブ油やプロペトを塗り、30分以上おいて十分浸軟させてから、よく泡立てた石鹸を付けた手で優しく丁寧に洗います。一度に全部の痂皮を取り除こうとせず、無理なく取れる分だけ、毎日少しずつ薄くしていくつもりで洗うと良いようです。
オリーブ油やプロペトでは軟らかくならない硬くて厚い痂皮に対しては、亜鉛華単軟膏(サトウザルべ)を均一にリント布に延ばしたものを痂皮の上に半日貼っておき、それからまたオリーブ油で落としてから洗うと、より取れやすくなります。

■すすぎとふき取り
すすぎは、保護者の手のひらで後頭部を支えながら耳介を指で押さえて耳の穴を塞ぐようにして、ぬるま湯を張った洗面器にそっと浸します。頭皮全体を軽くマッサージするようにしてよくすすぎ、石鹸成分が残らないように気をつけます。
ふくときは、柔らかいガーゼまたは綿のタオルで、こすらずそっと水分を吸い取るように押しふきします。特に頭は早く髪を乾かそうとタオルでゴシゴシこすりがちですが、乾いたタオルで髪の水気を吸い取るように何度も押さえてふき取るようにします。ドライヤーなどは決して使用しません。
耳後部、顎、腋窩、鼠頚部などのくびれた部位の奥はふき残しやすいので、特に気をつけてガーゼでしっかり水分をふき取るようにします。

■入浴後のスキンケア
入浴後のスキンケアとして、顔はプロペト、体はプロペトやへパリン類似物質(ヒルトイドソフト、ビーソフテンなど)のクリームやローション、頭はへパリン類似物質のローションを塗ります。
すでに皮膚炎を発症している場合は、顔や体の赤みが強い紅斑、丘疹、びらんにはステロイド軟膏を、頭皮にはステロイドローションを塗って治療します。皮膚炎が治ったら前述のスキンケアをします。

3.生後4ヶ月~5ヶ月以降…ドライスキンに対するスキンケア

乳児脂漏性皮膚炎の時期を過ぎると、アトピー性皮膚炎でなくてもドライスキン傾向が現れてきます。そのため、ドライスキンに対する適切なスキンケアを行い皮膚のバリア機能の低下を防ぐことで、さまざまな皮膚トラブルの予防につながります。
適切なスキンケアとは、清潔と保湿による皮膚バリア機能の強化です。

■清 潔
入浴やシャワー浴の際は石鹸の泡をたっぷりと付けた手でこすらずに丁寧に洗います。そして、しっかりすすぎ、熱いお湯は避け、長時間の入浴も避けることが肝心です。
使用する石鹸やシャンプーは、低刺激性、弱酸性、無香料、無着色、そしてアレルギーテスト済の項目があることが望ましいようです。
乳児期は頭髪をわざわざシャンプーで洗わなくても、石鹸の泡で丁寧に頭皮を洗うようにすれば十分でしょう。シャンプーを使用してもかまいませんが、頭や顔に成分を残さないように洗髪後に十分に洗い流すよう注意しないと、残存した成分に対する皮膚炎を起こすことがあります。
洗髪後はドライヤーで乾かすと皮膚も乾燥しすぎるため、タオルで押さえるように丁寧に何度もふき、その後自然乾燥させます。

■保 湿
石鹸で洗うことで汚れとともに皮脂も流れ落ち、皮膚は急激に乾燥します。皮膚の乾燥を防ぐためのスキンケアは、入浴後5~15分以内に保湿剤を素早く塗ることです。
保湿剤には、軟膏・クリーム・乳液・ローションなどのタイプがあり、目的応じて使い分けます。
例えば、夏はローションや乳液でざっと全身を保湿して、手足や肘膝などの露出部、刺激を受けやすい部位にだけクリームを塗り加えます。冬は反対に、クリームや軟膏を重層してしっかりと保湿します。

■保 護
皮膚を清潔にして保湿した後に大切なのは、どんなものが皮膚に直接触れるかです。最近は下着を着せずに直接服を着せる若いお母さんが増えてきていますが、皮膚に直接触れるものはスキンケアにとっても重要です。
昔ながらの木綿製の薄い下着は、汗を吸い取り、吸湿性と通気性に優れています。バリア機能が弱く、少しの刺激にも反応しやすいデリケートな乳幼児の皮膚に直接ふれる素材として適切であると思います。外出時にも、汗をかいた時のために着替え下着を1枚バックの中に持参することを進めています。

◆赤ちゃん用スキンケア

▼ドゥーエベビープラス    
泡シャンプー
泡ソープ
ソープ(透明石鹸)
300ml
300ml
100g
1,300円
1,300円
1,000円
ミルキーローション
UVプロテクトミルク
(SPF20、PA++)
150ml
30ml
1,300円
1,300円
▼コンテス    
コンテスクリーンフォーム
(しみない洗浄剤)
200ml 1,000円

2016-01-21 21:44:29

小児のアトピー性皮膚炎(1)

アトピー性皮膚炎の治療方針

アトピー性皮膚炎は「アレルギーの病気」とだけ考えられがちですが、実は、皮膚の油分や皮膚細胞をきちんと結びつける物質が足りないために皮膚が乾燥し、抵抗力が低下していろいろな刺激に負けやすい(バリア機能の低下)ということが基本です。

アレルギーはほとんどない子供さんから、非常に強い子供さんまでいます。年齢によっても違います。現在得られているデータでは、正常に成長している子供なら1歳8ヶ月くらいの時点で、アレルゲンとなる食物タンパクを十分消化できる腸管になり、遅くとも3歳ごろには問題がなくなるということです。

また、アトピーの子供の60%は血液検査をすれば5大食物アレルゲンのどれかに陽性を示しますが、実際に食べてみて皮膚が悪化するのは10%以下と言われています。食物検査が陽性だからといって、アトピー性皮膚炎の原因はその食物であり、除去さえすれば治ると考えるのは非常に短絡的だと思います。1週間食べさせないで皮膚がきれいになり、次の1週間食べさせてみて皮膚が悪くなった場合にだけ、その食品を3歳ぐらいまで控えさせるとよいと考えています。

油分のたりない皮膚にとっては、汗もかゆみを起こす刺激物であり、暑い季節には、肘や膝などの関節の内側や首のしわの所などに湿疹ができやすくなります。乾燥肌やかきこわしをそのままにしていると、ハウスダストやダニなどに対するアレルギーが起こってきます。湿疹ができてしまったら、治療のためのお薬の力を借りていい状態に戻しましょう。

ステロイドの塗り薬を怖がる保護者の方がいらっしゃいますが、症状のひどさに応じて必要な量を必要な期間使い、症状が軽くなったら薬を減らしたり、弱いものに変えたりすれば心配ありません。そのために当院では、「これをこのように○○日間塗ってください。そしてその翌日受診して下さい。」などと具体的にお話していきます。そして、皮膚の状態が良くなったあとは、保湿剤でスキンケアをきちんと続けましょう。これがもっとも大事なことです。

特別なことをしなくても子供のアトピーの大部分は、成長とともに治ります。正しいスキンケアをきちんと毎日してあげ、情報の洪水に惑わされず、わが子の自然治癒力を見守ってあげて下さい。スキンケアを中心とした外用療法だけではなかなかよくならない子供さんには、漢方療法その他を併用して治療させていただきます。また、皆さんが思っているよりも頻度は少ないのですが、食べ物のアレルギーがアトピーをより悪化させている場合もあります。経過を見ながら、そう判断される場合はしかるべき対応をお話します。心配しないで、何でも相談して下さい。


■基本治療

軽 症
  保湿剤によるスキンケア療法が中心です。
中等度
  弱いステロイド軟膏を短期間使用し、その後保湿剤によるスキンケア療法にもっていきます。
かゆみが強い時にはかゆみ止めを内服します。
希望によりアレルギー検査を行います。
重 症
  ステロイド軟膏を強い~中~弱いものへと徐々に軟膏の強さを変えながら使用します。その後は、小児用プロトピック軟膏と 弱いステロイド軟膏を併用しながらステロイド軟膏を終了していきます。時間はかかりますが、最終的には保湿剤によるスキンケア療法が中心の普通の治療になることを目指します。
抗アレルギー剤を内服しながら、体質改善に漢方薬も処方します。
アレルギー検査を勧めます。



■症状の重い小児アトピー性皮膚炎の外用療法について

ステロイド軟膏とプロトピック軟膏の使い方

1   ステロイド軟膏による治療からプロトピック軟膏の導入期
ステロイド軟膏の強さを変えながら、他の軟膏との重層療法も併用しながら、症状のひどい部分をある程度治療します。
プロトピック軟膏を1日1回夜に、ステロイド軟膏を1日1回朝に外用します。プロトピック軟膏の刺激感が強い子は、夜にステロイド軟膏、朝にプロトピック軟膏を外用してもかまいません。
2 プロトピック軟膏への移行期
ステロイド軟膏の急激な中断によるアトピー症状の再燃を避けるため、週末(土・日曜)のみこれまでの導入期と同じように、朝はステロイド軟膏、夜はプロトピック軟膏を外用します。
平日(月~金曜)は1日2回プロトピック軟膏の単独外用を続けます。
3 プロトピック軟膏と保湿剤による維持期
週末のステロイド軟膏外用を終了して、プロトピック軟膏を1日1回夜に、保湿剤を1日1~2回外用します。
その後は保湿剤を主体として、週末(土・日曜)のみプロトピック軟膏を夜1回外用する方法にします。
欧米学会誌では、皮膚症状が改善しても再燃しやすい部位を中心に週2回プロトピック軟膏の外用を続けると、4ヶ月以上皮膚の良好な状態が続き、年間の悪化回数を有意に抑えることができたと報告しています。
4 保湿剤による安定期
維持期まで治療が進むとアトピー性皮膚炎はかなり改善します。その後はアトピー性の乾燥肌に対して保湿剤のみのスキンケアを1日1~2回続けて症状を安定させます。
プロトピック軟膏は保湿剤で乾燥肌がコントロールできなくなった時に、夜1回、3~7日間ほど外用します。そして、保湿剤の使用を続けながら、ステロイド軟膏は年2~3回塗るくらいの症状でコントロールされる状態を治療の目標としています。




小児と漢方薬  >>漢方療法

 ■幼児・小児の漢方薬の飲ませ方
最近の幼児・小児は西洋薬ではドライシロップなどのオレンジやパインなどのフルーツの味に慣れているため、独特の味のする漢方エキス製剤に対しては、やはり飲むのには抵抗があるようです。しかし、味にはそれなりの理由もあり、工夫次第では飲めるようになります。

1   味覚を鈍麻させるために、ココア、リンゴジュース、カルピスなどに溶かしたり、ヨーグルトと一緒に服用したりするのも1 つの方法です。しかし、蜂蜜に混ぜて服用する場合には1歳未満の乳幼児は避けて下さい。1歳未満の乳幼児に蜂蜜を食べさせるのは、乳児ボツリヌス症発症の危険性があるので、控えることになっています。
2 薬剤を少量のお湯に溶かし冷却後、冷凍庫内でシャーベット状にして与えてもよいと思います。さらに、ストローを使うと舌に直接触れる量がすくなくなります。
3 経腸栄養剤・流動食に付随しているフレーバーを利用するのも1つの方法です。現在ではいろいろな味覚のフレーバーがあるので、小児が好むものを利用して下さい。
4 母親が同じ漢方エキス剤を同時に飲んだり、乳幼児が飲めたら、両親がおおげさにほめてあげて下さい。


■お母さんから聞いた具体例

1   パンに塗るチョコレートクリームをプリンに付いてくる小さなスプーンに一杯とり、エキス剤とよく混ぜて、そのまま同じスプーンで子どもの口に入れてあげる。
2 さらに混ぜた後、冷蔵庫に入れてトリュフチョコのように固めるという上級テクニックもあります。
3 市販のミニシュークリームの上半分を開け、中のクリームと少量のエキス剤を混ぜます。そして元通り蓋を戻して、何事もなかったかのように子どもの口の中に入れてあげる。
4 マヨネーズが好きなマヨラーのお子さんにはマヨネーズに、納豆好きならひき割り納豆に混ぜると飲んでくれたという場合もあるといいます。

2016-01-21 21:44:10

小児のアトピー性皮膚炎(2)

◆食物アレルギーについて
■食物アレルギーの経皮感作とアトピー性皮膚炎
近年、子供の食物アレルギーが増加しており、乳児で10%、3歳児で5%、学童でも2%前後の子供たちが鶏卵、牛乳、小麦などに対してアレルギー反応を起こしているという報告があります。そして、乳児期アトピー性皮膚炎患児のおよそ30~80%に食物アレルギーが合併し、皮膚炎が早期に発症したり、重症だったりするほど食物アレルギーの発症も増加するようです。

この理由は、経皮感作という新しいメカニズムによるものです。アトピー性皮膚炎や湿疹などで皮膚バリア機能が損なわれている乳幼児の皮膚に、卵や牛乳といった食べ物が持続的に接触することで、皮膚を通じて食物アレルギーに感作されます。その後、感作された食物を食べることで食物アレルギーが発症します。

このため、顔面(特に口囲)・頚部の難治性湿疹は早い段階から抗アレルギー薬や漢方薬の内服治療とステロイド軟膏やプロトピック軟膏にようる外用治療が必要です。その後は適切な治療と日常のスキンケアを行い、乳幼児期を通じて湿疹のない肌の状態を保つことができれば、食物アレルギーになることを予防できると思います。

食物アレルギー感作のメカニズム
(1)食物による経消化管感作
(2)花粉などの環境抗原による経気道感作後の交差反応
(3)経皮的感作

■アレルギー検査
迅速検査は指先からの微量採血で6種類(卵・牛乳・小麦・ダニ・動物・スギ)のアレルゲンを検査し、20分程の待ち時間で結果をお話しすることができます。症状に応じて詳しい血液検査(最大33種類まで)も行います。軽症のお子さんでも希望によって検査します。


 負荷試験を行わなくても食物アレルギーと診断できる特異的IgE抗体価

(1)Sampson   最小値
   卵  白  7UA/ml
   牛  乳  15UA/ml
   ピーナッツ 14UA/ml
   魚  類 20UA/ml
(2)Ando   最小値
  生卵白 …卵白 7.38UA/ml
  オボムコイド 5.21UA/ml
  加熱卵白…卵白 30.7UA/ml
  オボムコイド 10.8UA/ml


■食物除去について
乳児に多い食物アレルギーは卵、牛乳、小麦、大豆の順です。アレルギー検査(特異的IgE検査)は生後6ヶ月を過ぎると信頼性が増します。また、犬や猫などのペットを飼っている場合では、乳児でも陽性になることがあります。ただし、検査が陽性イコール除去ではありません。年齢・皮膚の症状・検査の値の3つで総合的に判断します。

1   卵・牛乳・小麦
これらが陽性の場合は完全除去が安全です。
その後、半年~1年後に再検査をして、抗体価が低い場合は、徐々に除去を解除することもあります。一般的に、卵や牛乳、小麦は年齢とともに耐性を獲得し、食べることができるようになります。
2 大豆・米
クラス2程度の抗体価でも、多くの場合、問題なく食べることができます。
3 肉・魚
肉は症状がほとんど出ませんが、魚のアレルギーがある場合には食べるとかゆがるので除去します。
4 ピーナッツ・ソバ
これらは強い症状が出やすいので、抗体価が低下しても食べることは勧めません。
間違って多くの量を食べると、事故につながる危険性があるからです。



◆母乳栄養とミルクアレルギー
■母乳栄養とアレルギー発症予防
母乳は乳児栄養にとって最良のものであり、母乳には様々な免疫調整物質が含まれ、食物アレルギー児の腸管を介した抗アレルギー効果が有り、腸や気道感染の予防にも役立っています。一方、母親の摂取した食物アレルゲン(卵、牛乳、小麦、落花生)が母乳中に検出されています。母乳はこのように、食物アレルギー児にとっては、本来の抗アレルギー効果と食物アレルゲン感作の相反する影響を与えてることになります。しかし、母乳栄養自体のアレルギー発症予防効果については、アレルギーリスク児において、完全母乳栄養によるアトピー性皮膚炎および喘息発症の予防効果が評価されています。

■授乳中の母親の除去食
授乳中の母親の除去食によるアレルギー発症予防に関する研究では、欧米では効果ありとする論文と効果なしとする論文があり、異なった結果が出ています。授乳期の母親の除去食指導を徹底することで、1~2歳までのアレルギー疾患は減らすことができるという研究がありますが、欧州や日本の小児アレルギー学会では、これらの除去により食物アレルギーの発症を予防できる確証は得られておらず、家族、子供の負担を考えると、授乳期の除去食は勧めないとしています。米国では、アトピーリスクのある場合は、授乳中の母親の落花生やナッツ類の除去、場合によっては卵、牛乳、魚の除去も考慮するとしています。個人的には、同胞に強いアレルギーが有る場合は、それぞれの症例に応じた授乳中の除去食も必要と考えます。

■分解乳によるアレルギー発症予防
アレルギー用ミルクは乳たんぱく質を分解したもので、日本でもアミノ酸乳、カゼイン分解乳、乳清分解乳が治療乳として使用できます。欧米の多くの報告では、アトピーリスク児の分解乳は普通ミルクや大豆乳よりもアレルギー発症率を低くし、分解乳4ヵ月以上の使用による喘息発症率の低下もあります。これらの結果から欧米の小児科学会では、アレルギーリスク児が人工栄養を行う場合は、高度分解乳を勧めています。日本では、ニューMA-1が高度分解乳に相当するため、アレルギーリスク児とくに同胞にミルクアレルギーが有る場合に、母乳代替として早期から利用が勧められています。

1.アレルギー用ミルクの種類と特徴

調整 乳蛋白分解 乳蛋白分解 乳蛋白分解 乳蛋白分解 アミノ酸調整
商品名 ニューMA-1 MA-mi ぺプディエット ミルフィーHP エレメンタル
フォーミュラ
会社名 森永乳業 森永乳業 ビーンスタークスノ 明治乳業 明治乳業
風 味 やや苦み
独特な風味
ややよい やや苦み
独特な風味
よい やや苦み
独特な風味
蛋白質 カゼイン分解物 カゼイン分解物
乳清分解物
カゼイン分解物 乳清たんぱく
分解物
アミノ酸混合物
糖 質 ショ糖
オリゴ糖
ショ糖
オリゴ糖
ショ糖
タピオカ
可溶性多糖
ブラクオリゴ
可溶性多糖
乳 糖 含まない 微量 含まない 含まない 含まない
大豆油 含まない 含まない 含まない 含まない 含まない
調整濃度 15% 14% 14% 14% 17%

ミルクアレルギーは、アナフィラキシーの重症から蕁麻疹の軽症、湿疹、下痢に影響するタイプまであります。アナフィラキシーやミルクアレルゲンスコア5~6などでは、アミノ酸乳から開始し、次いで、ニューMA-1やミルフィーHPまたはMA-miの順に進めます。

2.ペプチドミルク
ミルクのたんぱく質を低分子にして吸収しやすくしたミルクを「ペプチドミルク」「低減化ミルク」と呼んでいます。これらはあくまでも、予防用のミルクであり、アレルゲン性が残存しているのでミルクアレルギー疾患用のものではありません。
ミルクアレルギーが心配な赤ちゃんに用います。

商品名 : ペプチドミルクE赤ちゃん (森永乳業)、アイクレオHI (アイクレオ)

2016-01-21 21:43:44

イボ(尋常性疣贅)

イボは医学的にウイルス性疣贅といい、ヒト乳頭腫ウイルスの感染によって生じます。手のひら、足の裏、指先に多く体中どこにでもできます。

■治療方法
液体窒素による凍結療法が基本です。
保険治療であり、最も有効な治療法ですが、-190℃で人工的に凍傷を起こさせるので強い痛みを伴います。子供には非常につらい治療です。痛みに弱いお子さんには薬剤塗布による下記の治療も行っています。痛みはありませんが、治癒までに時間がかかることや一部自由診療(自費)になることが欠点です。
詳しいことは、診察の際におたずね下さい。

■痛くない治療方法

1.グルタールアルデヒド液+スピール膏+週1回医師による削り

1日目 入浴後グルタールアルデヒド液を患部に塗布し、ドライヤー冷風で乾かします。
スピール膏をイボの大きさに合わせて切り、テープで固定します。
翌日の入浴後まで貼ったままにしておきます。
2日目 入浴後にスピール膏をはがし、1日目の行程を繰り返します。
3日~
6日目
2日目と同じ。
7日目
その後
  スピール膏をテープで止めたまま受診します。医師がイボの部分を削ります。
以下、イボが無くなるまで1日~7日目を繰り返します。


2.活性型ビタミンD3軟膏+スピール膏+週1回医師による削り

1日目 入浴後、ビタミンD3軟膏を患部に塗ります。
スピール膏をイボの大きさに合わせて切り、テープで固定します。
翌日の入浴後まで貼ったままにしておきます。
2日目 入浴後にスピール膏をはがし、1日目の行程を繰り返します。
3日~
6日目
2日目と同じ。
7日目
その後
  スピール膏をテープで止めたまま受診します。医師がイボの部分を削ります。
以下、イボが無くなるまで1日~7日目を繰り返します。


3.イミキモッドクリーム+スピール膏+週1回医師による削り

1日目 入浴後、イミキモッドクリームを患部に塗ります。
2日目 入浴後、スピール膏をイボの大きさに合わせて切り、テープで固定します。
3日目 入浴後にスピール膏をはがし、イミキモッドクリームを塗ります。
4日目 2日目と同じ
5日目 3日目と同じ。
6日目 2日目と同じ。
7日目 スピール膏をテープで止めたまま受診します。医師がイボの部分を削ります。
8日目
以降
  以下、イボが無くなるまで1日~7日目を繰り返します。
  ※イミキモッドクリームによる治療は休止しています


4.漢方治療
上記の各治療と同時に漢方治療を併用するとさらに効果的です。

2016-01-21 21:43:06

水イボ(伝染性軟属腫)

イボウイルスとは異なる水イボウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)の感染によっておこります。5~6歳児に最も多く見られ、放置しておいても1~2年で大部分は消えますが、自家接種して数を増やしたり、患児との直接の接触だけでなく、バスタオル、スポンジ、
ビ―ト板などの器物を介しても感染します。プールに入れないことや集団活動に制約がでることもあるので、早い時期に治療しましょう。

■麻酔テープによる摘徐術
水イボ摘徐(大きいのは液体窒素療法)が基本治療です。専用のピンセットで水イボを1個ずつ摘まんで中身を取ります。
当院では痛みを軽減するために麻酔テープを使用します。

1   受診時に麻酔テープの使用方法を説明し、麻酔テープをお渡しします
2 2時間前から麻酔テープを小さく切って、水イボ1個ずつに貼って来院していただきます。
3 医師が1個ずつ摘徐します。
大きいものには液体窒素療法を行います。
4 少し出血しますが心配ありません。
当日は入浴を控え、2~3日間化膿止めの塗り薬をつけて下さい。


■痛くない治療方法
1.漢方治療
漢方薬のみでも効果はありますが、他の治療と併用すると治療効果が増します。
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2.イソジン消毒液塗布+スピール膏貼付

1日目 入浴後に毎日1回行います。
スピール膏を水イボの大きさに細かく切り分けて準備しておきます。
最初に水イボ1個ずつにイソジン液を綿棒で塗ります。
次に細かく切ったスピール膏を水イボ1個ずつにテープで貼ります。
これを全ての水イボに行います。
2日~
7日目
前日貼ったテープをはがしてから入浴します。
入浴後は1日目と同じです。
8日目 医師が診察して、カサブタに塗る外用剤を処方します。
その後   残った水イボは1週間同じことを行い、医師の診察を受けます。
全ての水イボが無くなるまで1日~7日目を繰り返します。

皮膚の弱い子はジクジクして湿疹になることもあります。そのような場合はイソジン消毒液のみ塗布します。

3.イソジン消毒液塗布
入浴後に毎日1回行います。
塗り方のコツは、1個の水イボに対して5回程度イソジン液のついた綿棒を直角に押し付けて十分塗ることです。時間がかかることが欠点で、約4~6週間程度でカサブタになって取れてきます。

4.ビタミンD3外用や合成トレチノイン外用療法
1日2回水イボに塗ります。簡便ですが治療効果に個人差が有り、4週間外用しても効果がでないときは中止します。

5.イミキモッドクリーム外用治療法 ※イミキモッドクリームの治療は休止しています
入浴後に毎日1回水イボに塗ります。
海外では有効性が確認されており、外用部に一過性の赤みと刺激感が出現する程度です。ただし保険外診療(自費)となります。1包約1,200円の外用剤が1日1回1~2包必要で、効果発現までに2~8週間外用するため、かなりの治療コストがかかります。

2016-01-21 21:42:43

とびひ(伝染性膿痂疹)

◆とびひ(伝染性膿痂疹)とは

■原 因
あせもや虫刺されを掻きこわした傷、すり傷、ジクジクした湿疹などに細菌(黄色ブドウ球菌やレンサ球菌)が感染して起きます。これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが、傷ができていたりアトピー性皮膚炎があったりすると、皮膚の抵抗力が弱くなっているため感染してしまいます。「とびひ」という名前のとおり火の粉が飛ぶように次々とうつる病気です。

■症 状
強いかゆみのある水疱やカサブタができ、それが破れてジクジクします。破れて出た浸出液が付着することによって感染します。

■治 療
抗生物質とかゆみ止めの飲み薬を服用し、抗生物質軟膏とリント布に亜鉛華軟膏をのばして貼付し、包帯巻きをします。細菌培養検査にて原因となる細菌を同定し、最も効果のあるお薬を処方します。最近のとびひには、ゲンタマイシン軟膏はほとんど効果ありません。内服薬の抗生物質の効かない耐性黄色ブドウ球菌もあります。

■予 防
(1)夏は毎日お風呂に入るかシャワーを浴び、石鹸を使ってよく洗浄し、よく流しましょう。
(2)アトピー性皮膚炎や湿疹の治療に努め、虫さされ、すり傷などは早めに治しましょう。
(3)爪は短く切り、外出後や遊んだ後には手をよく洗い、鼻をいじるのはやめましょう。
(4)ひと夏に何回もとびひにかかる子供もいるので、しっかり治療・予防しましょう。
(5)強酸性水を使用すると効果的です。


◆軟膏処置の方法

1   患部は石鹸を泡立てて、なでるように丁寧に洗い、シャワーでしっかり洗い流します。
石鹸がしみて痛い場合はしみない石鹸もあります。
抗生物質軟膏(アクアチム、アクロマイシンなど)を水疱やビラン面に塗ります。
2 ガーゼまたは亜鉛華軟膏(サトウザルベ)を均等な厚さに延ばしたリント布で完全に覆い、ネットや包帯で固定します。
3 アトピー性皮膚炎を合併して痒みが強い場合は、もともとの湿疹の部位にはステロイド軟膏を塗り、とびひの部位には抗生物質軟膏を塗ります。そして、掻かないように亜鉛華軟膏(サトウザルベ)を延ばしたリント布で覆って、包帯で固定します。
4 以上の処置を1日1~2回繰り返し行い、3~4日後に再受診して下さい。
家庭で無理なようであれば、毎日通院して処置します。


◆とびひに感染した時の注意

  登園・登校について
他の子供にうつさないように、なるべく子供同士は触れあわないように気をつけましょう。保育園や幼稚園、学校などの集団生活をさせる場合には、患部をガーゼで覆い、直接触れないようにしましょう。「とびひ」の範囲が広い場合は休ませたほうが良いこともあります。
プールや水遊びについて
プール(水泳)や水遊びは完全に治るまで、絶対に禁止しましょう。
お風呂について
お風呂に入ってもかまいませんが、完全に治るまではシャワーやかけ湯にとどめ、湯船にはつからないほうがよいでしょう。また、他の子供と一緒に入るのは避けた方が良いと思われますが、傷や湿疹がなければ必要以上に神経質になることはないでしょう。
絆創膏付きテープ(バンドエイド)について
とびひの部分をバンドエイドなどで覆って受診する子どもを見かけますが、通気性や吸湿性が悪く、中で細菌が増殖して悪化するのでやめて下さい。

 

2016-01-21 21:42:05

おむつ皮膚炎とカンジダ皮膚炎

◆おむつ皮膚炎

原因   尿や便に含まれるアンモニア、酵素などに皮膚が刺激されて起きます。
症状 おむつの当たるところに赤いブツブツやただれができます。
皮膚のシワのあいだにはできません。
ここにできていると、後述するカンジダ皮膚炎の可能性があります。
治療 洗面器にぬるま湯を入れておしりを洗い、亜鉛華軟膏やワセリンを塗ります。
ひどい時は弱いステロイド軟膏を塗ります。
予防 おむつはこまめに取り替え、通気性の良いものを選びます。
強酸性水を使用してオムツ替えをするとさらに効果的です。


◆カンジダ性皮膚炎

原因   便の中にいるカンジダ菌が、赤ちゃんのお尻について炎症を起こします
症状 股の皮膚のシワの間にまで赤いブツブツができたます。
炎症のある赤い皮膚が端の方からむけて、ただれる事もあります。
治療 患部の皮膚のかわを顕微鏡で観察し、カンジダ菌の有無を調べます。
カンジダ菌に効く抗真菌剤の塗り薬で治療します。
予防 おむつはこまめに取り替え、股やおしりのシワの間まできちんと洗います。
強酸性水を使用してオムツ替えを行うとさらに効果的です。
市販のおむつかぶれの塗り薬を使って悪化することもあります。


■皮膚真菌検査
カンジダ菌の感染を顕微鏡検査にて、その場で迅速診断します。
心配な保護者の方は、医師にご相談下さい。

■強酸性水(超酸化水)とは
水道水を電気分解して作ります。ph2.7以下、酸化還元電位1100mV以上の水で、一般細菌、MRSA、真菌、ウイルスと広範囲の微生物の殺菌・抑制に効果があります。強酸性水は皮膚や粘膜などの有機物に触れると速やかに通常の水になるので、刺激性は無く、極めて安全です。
■初回に専用容器を購入していただければ、無料でお分けします。
■時間の経過(2~4週間)とともに酸性度・効果ともに低下してきます。


◆おむつ皮膚炎のスキンケア

1   おむつ交換を頻繁に
おむつをこまめに点検し、ぬれていたらすぐ取り替えることが第一の治療であり、予防につながります。夏季には、たとえ濡れていなくてもときどきおむつを外して空気にさらすことで、蒸れを予防し、また汗疹を予防します。
2 清拭の仕方
便の汚れを乾いた紙や布でふき取ると、こすり取るようになり皮膚に刺激となります。
ぬるま湯で濡らしたティシュか柔らかいガーゼやオリーブ油を浸した綿花などで、丁寧にそっとぬぐい取ります。できれば、ぬるま湯で座浴(おしりをたらいに浸して洗う)またはシャワーで洗い流すのが、最も刺激が少なくきれいになります。
特に下痢便の場合は、座浴やシャワー浴をするのが最適と思われます。
洗った後は、こすらないように柔らかいタオルやガーゼで吸い取るようにして、水気を十分にふき取り、ひだの奥までふき残しがないように気をつけます。
3 清拭後の処置
清拭後、すぐに新しいおむつを着けずにしばらく空気にさらして乾燥させて下さい。
乾いたおむつの上で足を持って動かす体操をしたり、夏ならうちわや扇風機でしばらく風を送るのも良いでしょう。
その後、プロペト、白色ワセリン、アズノール軟膏などの油脂性軟膏を塗っておくと、油膜が皮脂の代わりとなり、皮膚のバリア機能を補強します。
4 治療薬を塗る
おむつ皮膚炎で、紅斑、丘疹、びらんなどがみられたら、一時的に弱めのステロイド軟膏を塗り、ひどい時は亜鉛華単軟膏(サトウザルべ)を重層します。治まったら速やかにプロペト、白色ワセリン、アズノール軟膏などでケアします。
カンジダ症の診断がついた場合は、まず抗真菌薬を1~2週間塗ってカンジダ菌を消滅させてから、おむつ皮膚炎のスキンケアを行います。

2016-01-21 21:41:34

ヘルペスウイルス感染症

■症状と経過

1   口唇ヘルペス
最も一般的な病態で、発熱、紫外線の曝露、疲労などが誘因となりますが、実際には成人に比べて小児では少ないようです。
皮疹の出現する1~2日前に局所に熱感、違和感、ピリピリとした刺激感などの前兆がみられ、小型の水疱が出現し、次第に集まって膿疱、糜爛になり、やがてカサブタになり7~10日で治ります。
2 ヘルペス性歯肉口内炎
乳幼児・小児のHSVの初感染のうち90%は不顕性感染ですが、ときに初感染の症状としてヘルペス性歯肉口内炎があります。
高熱とともに口腔内、舌、口唇などに小潰瘍、白苔を有する糜爛が多発し、所属リンパ節の腫脹が著明で、口腔内の痛みにより摂食・飲水が困難となります。発熱は3~5日程度で解熱しますが、口腔内の病変の治療には約2週間ほどかかります。
3 カポジ水痘様発疹症
アトピー性皮膚炎に合併する例が多く、抗HSV抗体保有率の低下(以前は成人の70%ほどでしたが今は50%程度)と重症型のアトピー性皮膚炎患者の増加に伴って、学童期~成人での発症が増加しています。
臨床症状は発熱、リンパ節腫脹などの前駆症状とともに顔面に多発性の小水疱が多数出現し、さらに顔面全体に播種状に拡大し、水疱は破れて糜爛します。患児より授乳などを介して母親の胸にも直接感染することもあります。また、糜爛部に細菌の二次感染を生じて伝染性膿痂疹(とびひ)になることもあります。
4 ヘルペス性ひょう疽
指先に感染し多房性水疱を形成します。痛みが激しく、腋窩などの所属リンパ節が腫れ、発熱することもあります。乳幼児では指しゃぶりで口腔内病変から感染したり、逆に指から歯肉口内炎を生じることもあります


■治 療
抗ウイルス薬の内服が第一選択であり、病初期で特に有効性が高いようです。ヘルペス性歯肉口内炎やカポジ水痘様発疹症の重症例では入院のうえ、抗ウイルス薬の点滴静注を必要とすることもあります。口唇ヘルペスなどの再発性病変に対しては、大人の場合は抗ウイルス薬の塗り薬のみで治療可能ですが、小児の場合は抗ウイルス薬を内服した方が良いと思われます。
ただし抗ウイルス薬はすでに存在するウイルスを減らすことはできないため、投与開始後1~2日は症状が進行することもありますが、心配しないで下さい。

1.口唇ヘルペス
  初感染・再帰発症とも外用または内服
2.ヘルペス性歯肉口内炎
  初感染・再帰発症とも内服
3.カポジ水痘様発疹症
  初感染・再帰発症とも内服
4.ヘルペス性ひょう疽
  初感染は内服・再帰発症は外用または内服


■予 防
再発を完全に抑制する治療は現在のところ存在しません。紫外線曝露や疲労などの誘因を除去することが再発予防になります。特に、紫外線曝露で発症する子は日焼け止めを使用して下さい。HSV感染症では飛沫感染はみられませんが、病変部からの接触で感染するので、食器やタオルなどの共有や病変部がカサブタになるまでは直接触らないなどの注意も必要です。

2016-01-21 21:41:05

水痘と小児の帯状疱疹

■水痘(みずぼうそう)

1   症状と経過
VZVは麻疹に次ぐ感染力の強いウイルスで、飛沫感染し罹患者の約80%は5歳までに発症しています。潜伏期は平均15日で、軽い発熱とともに顔面・体幹を中心に小紅斑が多発し、紅斑は速やかに赤い小水疱となり、水疱は徐々に膿疱化し、通常5~7日でカサブタ化します。次々と皮疹が出現し、1~2週間の間にこの過程をたどるため、新旧の皮疹が混在するのが特徴です。
2 治 療
小児では一般に軽症であることが多いようですが、皮疹の拡大のみならず、発熱やかゆみの軽減につながるため積極的に抗ウイルス薬の内服薬を処方します。抗ウイルス薬の投与は発症早期(皮疹出現48時間以内)であれば特に有効性が高いようです。解熱薬としてアスピリンなどのサルチル酸製剤の投与はReye症候群の誘因とされ、避ける必要があります。
3 予 防
伝染力は水疱出現の数日前より水疱がカサブタ化するまであるので、学校保健法では第2種に分類されています。発疹のすべてがカサブタ化するまで出校停止とされています。家庭内で発症した場合は、約90%の確率で兄弟姉妹間に感染がみられます。
4 ワクチン
我が国では1987年より水痘ワクチンが導入されていますが、任意接種のためワクチン接種率は約20%にとどまり、アメリカの81%(2002年)に遠く及ばないようです。通常は生後12カ月以上の水痘罹患既往のない健常児が対象で、感染防御効果は約90%であると言われています。


■小児の帯状疱疹

1   原 因
帯状疱疹は高齢者に多く、強い痛みを伴った皮膚病ですが、最近は幼小児に発症する例をしばしば経験します。初感染は水痘として体内に侵入したVZVが神経に潜伏し、過労・ストレス・重症感染症などの誘因で再活性化した際に、潜伏していた神経支配域に皮疹を生じたものです。
2 症状と経過
からだの片側に軽い痛みやかゆみとともに、赤いブツブツや水疱が帯状に出現し、次第に膿疱化し、約2週間でカサブタ化します。炎症が強く、皮膚に糜爛や潰瘍を形成して傷跡になることもあります。
3 予 後
高齢者は帯状疱疹後神経痛を残すことが多いようですが、小児は神経痛が残ることは少ないようです。
4 治 療
軽症例では抗ウイルス薬の塗り薬でも治療可能ですが、やはり抗ウイルス薬の内服を処方します。痛みやかゆみを抑えたりするだけでなく、炎症の程度を軽減して皮疹の拡大や程度を軽くすることによって傷跡になることを防ぐ効果もあります。

2016-01-21 21:40:32

砂かぶれ様皮膚炎と小児のかぶれ(接触性皮膚炎)

◆砂かぶれ様皮膚炎(小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎)

症状   突然、手の平が真っ赤になり、さらに手指の側面にも丘疹ができて、非常に痒がります。揉み手をするように終始掻破している患児もいます。その赤さも、特に手指の末節に強く現れ、指の間まで赤くなることもあります。手だけでなく足にも同じような症状が出て、足の裏や外側が赤くなるという訴えを聞くこともあります。
その後、1~2週間するとカサカサと落屑し、細かい鱗屑を生じて荒れたような症状になります。足については「水虫になったのではないか」と来院される患者さんもいるくらい、足白癬の症状に非常によく似ています。
このような症状が2~3週間から、長い時は1ヶ月ぐらい続きます。そして、全身の後遺症も皮膚の後遺症も残すことなく、自然に治癒していくことが特徴です。
手足の症状が、まるで砂遊びをした後にかぶれたような状態なので「砂かぶれ様皮膚炎」とうい別名がついています。
年齢   発症年齢は1~4歳で、一番多いのが2歳前後の子です。
季節的には、初冬から春先に多く、夏になると減ってきます。
原因 不明だが、おそらくウイルス性疾患であろうといわれています。
治療 強いかゆみに対してかゆみ止めの飲み薬、手足の腫れや荒れに対してステロイド外用剤を処方するが、一時的な効果しかないようです。



◆小児のかぶれ(接触性皮膚炎)

■砂かぶれ
手足の皮がむけたり、赤くなったり、ブツブツができたりします。砂遊びの後に生じるものが典型的ですが、原因は砂に限定されるわけではありません。汗による異汗性湿疹(汗疱状湿疹)と混同されて使用されているケースも多いようです。足に生じた場合は、水虫との鑑別のために真菌検査(水虫の顕微鏡検査)をする必要があります。

■ズック皮膚炎
足の裏~足の指が少し赤くなり、乾燥してカサカサとなり、やがて亀裂ができます。ゴム靴や靴に侵入した砂などの刺激が原因と考えられ、靴下を履くように指示することで軽快することもよくあります。ズック靴皮膚炎などの足のかぶれと水虫とは見た目では区別できないので、真菌検査をする必要があります。

■よだれかぶれ
よだれとともに付着する食べ物による刺激、よだれを拭き取る際の摩擦刺激、拭き取ることによる皮膚の乾燥など、複数の要因が重なり、口の周りはもとより、頬などにも皮膚炎を生じます。よだれを拭くときは、皮膚に刺激の少ない綿のタオルをよく濡らして優しく拭き取ること、拭き取った後や食事の前後にはプロペトワセリンなどを塗り、皮膚を乾燥や外的刺激から保護することなどが予防になります。

■植物によるかぶれ
小児は日常生活で様々な植物と接触する機会が多く、植物が触れた部分をなぞるように線状に赤くなったり、水ぶくれができたりします。原因となる植物はウルシ、ハゼ、ギンナン、イラクサ、最近ではガーデニングブームの影響で、サクラソウ、キクなどの報告も増えています。ウルシ皮膚炎になった患児は、ウルシ科のマンゴー、カシューナッツ、ピスタチオにも症状がでることもあります。また、アロエ、キウイ、パイナップルなどの接触によって口の周りや手に生じる皮膚炎は、植物に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が皮膚に刺さるために生じます。

■医薬品によるかぶれ
消毒液による
消毒液はかぶれやすく、最近は、医療現場でも消毒液の皮膚への使用は減少傾向にあります。小児が転倒などで生じた擦過傷などは、水道水と市販の石鹸による洗浄で十分です。むやみに消毒液を使わないようにしたほうがよいと思います。

湿布薬による
湿布の成分にはインドメタシン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェルナビクなどですが、フェルナビクが比較的かぶれないようです。ケトプロフェンは湿布を貼った部位が日光に当たると皮膚炎を生じる、光接触性皮膚炎の報告が多いようです。露出部へのケトプロフェン湿布薬の使用は避けた方がよいと思います。

■おしゃれ用品によるかぶれ
おしゃれの低年齢化により、おしゃれ用品によるかぶれは多様化しています。これまで比較的よくみられていたズボンのボタン、眼鏡のフレーム、腕時計などに加え、ブレスレット、ネックレス、ピアス、指輪などの金属かぶれもみられます。ソックタッチやアイプチ、化粧品やマニキュアなどの原因も認められるようになりました。外来を訪れる子供たちをみていると、マニキュアをしている子や髪を染めている子も普通にみられるようになりました。中にはお化粧をしている子もいます。今後、おしゃれ用品によるかぶれは増え続ける傾向にあると思います。

2016-01-21 21:40:00

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